みどりいろのブログ

旅をすること、本を読むこと、美術館めぐりが好きな20代です。
旅先で出会う、おいしい食べものとお酒にも目がありません。
ささやかな日常をつれづれに。

いっしゅうまわってこころにささる

こんばんは。
今日はとっても寒い日で、いっきに冬に戻ったような一日でした。


やっと長く続いたまんぼうも終わりとなり、コロナも落ち着くことを祈り続ける今日この頃です。
と言いつつ、つぎの波はいずれやってくるでしょうから、つかの間のボーナスタイムとなるような気もしてしまいます。


近ごろ原田マハさん続きでしたが、久しぶりに島本理生さんを読んでみました。
よだかの片想い | 島本 理生 |本 | 通販 | Amazon

この本は学生時代にハードカバーで購入したのですが、当時はいまいち惹かれず、読んだのは途中まで、内容も全く覚えていませんでした。
ところが今回読んだところ、どんどん引き込まれてしまい、一気に読み終えてしまいました。


昔しっくりこなかった本が、年を経て再開した時に、全く違う印象を魅せること。
これって本に限らず、例えば食べ物やお酒、旅先、映画などでもあるあるではないかなと、思います。
自己満足かもしれないのですが、ちょっと考えかたが成長しその魅力を理解できるようになったんじゃないかなと、照れくさくなるような気持にもなります。


『よだかの片思い』に出てくる、よだかは、宮沢賢治先生の有名な『よだかの星』に出てくるよだかを連想させます。
大学で物理学を専攻する女の子と、女性関係には困らない映画監督とのお話ですが、お二人の関係性もさることながら、主人公の女の子に惹きこまれる物語でした。
なんと伝えればよいのか難しいのですが、中高生の私がこの本をよんだら共感できた気がしますが、大学時代の私が読んだら逆に共感できなかったと思います。(じっさい、完読できませんでしたし)
ただ、今の私にとっては、いっしゅうまわってこころにささる一冊でした。


じぶんで理解しているつもりの自分自身と、ほかの人からみた自分自身というものは異なること。
自分なんてと沈むときがあっても、自分自身には気づけない良い点をほかの人が見てくれていることもあるということを、やさしく教えてくれた島本先生に救われる思いでした。


寒さははやめに過ぎ去り、春が早く訪れてくれればよいなと思います。
それではまた次回。